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2013.11.17400万人 非アルコール性脂肪肝炎

B型、C型といったウイルスや、大量の飲酒が原因で肝炎になることはよく知られている。

しかし、国内の肝炎患者で最も多いのは、飲酒量が多くない人に起きる「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」であることはあまり知られていない。推定患者数は約400万人に上る。

 大阪府済生会吹田病院(大阪府吹田市)は、肝臓病研究では国内の第一人岡上武(69)が中心となって、NASHの先進的な治療や研究に取り組んでいる。

NASHの存在は、米国では、30年以上前から報告されている。それまでは、肝臓に過剰な中性脂肪がたまって起きる脂肪肝炎になるのは大量に飲酒する人だけと考えられてきた。

全く飲まない人や、飲んでも1日にビール中瓶(500ミリ・リットル)1本以下の人でも、脂肪肝炎になることが明らかになり、米国の医師が、非アルコール性脂肪肝炎を表す英語(non‐alcoholic steatohepatitis)の頭文字を取ってNASHと名付けた。

2007年まで京都府立医科大教授として肝臓病の研究をしてきた岡上は、2000年代に入ってから「日本でも、NASHはいずれ大きな問題になると確信していた」という。

NASHの大半は、肥満や高血圧、糖尿病といった生活習慣病に起因していることが米国の調査でわかっている。食生活の欧米化が定着した日本でNASHの患者が増えてくるのは必然だと考えたからだ。

岡上は、厚生労働省が08年に発足させたNASH研究班の班長になり、実態の解明や遺伝子解析などの研究を主導。大学退職後、院長として赴任した同病院には、関西一円のほか四国や九州からも患者が集まり、全国最多の約600人のNASHやその予備軍の脂肪肝患者を診ている。

 

(2013年11月17日読売新聞)yomiDr. より抜粋

 

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