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2021.12.07開発者の回想⑧

「カナダ国立肝臓移植機構でのチャレンジ」

 

東京でカナダ大使館の官僚と会いました。とっても優しい紳士でした。

「カナダ政府は漢方類の製品の現代管理システムを構築したいので可能であれば協力して下さい。」

「え?何故私ですが?」

「漢方の分野で君は発明特許をアメリカ、カナダ、欧州諸国、日本、中国に申請、認定されている。それは世界中が認めた証拠の一つです。」

「カナダの事情は全くわかりませんが、可能な限り協力させて頂きます。」

 その後カナダ訪問が始まりました。

トロント、モントリオール、バンクーバー、各地政府機構の紹介、色々な説明を受け大変勉強になりました。

広大な国土、太い枝が地面に沿っている巨大な樹林、連綿とした雪山、豊満な水路、清冽な空気、新鮮感が一杯でした。

眞冬の季節でしたが、バンクーバー空港の降走路の周辺に芝生がまだ緑だったことに大変魅了されました!!豊かな自然で新しい発見がまだまだありそうと想像しました。

 公用標準語は英語とフランス語の二種類指定され、公的書類も二つの言語で記録していることに驚きました。

 まず、バンクーバーで開催する学会への参加、交流が始まりました。

 学会で新しい研究成果を発表しました。学会主催者の女性教授は2人の 男性をお連れしていました。

「この2人はトロントから来ました。是非交流したいと申し込みがあったのです。」

名刺交換をしました。

「私はカナダ国立肝臓移植機構のM教授、こちらは助手でございます。」

「素晴らしい出会い、宜しくお願い致します。」

「あなたの今までの研究結果を拝見し驚きました。カナダで我々と一緒に更なる研究をしませんか?」

「はい!喜んで、どのように進めましょうか?」

「二重盲検の実験を提案したい。被験者は2組に分け、本物とプラセボ(偽薬)をそれぞれ使用させ、誰が本物で誰がプラセボを使用するかの表示リストは弁護士が別に保管し、医者と使用者が使用内容を知ることが出来ないまま、一定期間で連続使用、数回検査、実験終了後、各自が摂取したものが本物かプラセボかを初めて開示します。そして検査結果を対照と比較し、まとめます。」

「斬新な企画、大変面白い、ぜひやりましょう!如何進めますか?」

「日本ではプラセボの準備だけできませんか。他のことは私たちに任せてください。」

「了解。では、宜しく!」

東京へ戻り、すぐプラセボの試作の為に工場とチャレンジを展開しました。数ヶ月後、本物そっくりのプラセボが完成しました。本物と一緒に特別包装してすぐカナダへ送りました。

実験は順調に進んだようです。数が月後、予定の終了期になりました。その数週間後カナダから連絡がありました。

「実験結果を全部揃えましたが、実験主宰のM教授は緊急出張があり、結果のまとめは少々遅れます。許して下さい。」

「大丈夫ですよ。因みに、実験の結果は如何でしたか?」ワクワクしながら早く知りたくて我慢出来ない気持ちです。

「良いです、本当に良いです!本物使用者全体の肝機能は改善現象が現れ、皆は驚きました!」

「ああ嬉しいですね!素晴らしいですね!」

「しかし一部の人は使用中止後、正常化した肝機能がリバウンド現象、言わば、肝機能値は再びジワジワ悪くなる現象がありましたが、主宰のM教授の分析と解釈が少し必要と思います。」

「そうですね、専門家の分析が必要ですね!」

嬉しい気持ちより不安が増えました。メールで主宰のM教授に質問をしました。先生からはすぐ返信が来ました。

今回の使用希望者はC型ウイルス性肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎、薬物性肝炎、肝硬変、肝がん患者、肝移植待機者含まれています。色々な角度から検証の意味で肝移植待機者以外、全部採用しました。使用参加者全体の肝機能値が好転したのを確認できました。もちろん病状、程度により好転程度の違いがあります。使用中止後リバウンド現象に対して、あなたの製品の使用で効果があるという有力な証明になり、素晴らしい事です。全く心配がありません!

本当にほっとしました!

以後、M教授のまとめ結果を学会で発表しました。

又、要請してM教授は来日、東京経団連会館で開催されたセミナーでも発表しました。

 

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