C型肝炎の維持療法は一部の患者には効果なし

進行した慢性C型肝炎患者に対する低用量のペグ(PEG)インターフェロン(編集部注=インターフェロンをポリエチレングリコール[PEG] と結合させたもので、作用時間が従来のインターフェロンよりも非常に長い)を用いた維持療法は、初回治療が奏功しなかった患者には無効であることが新しい研究で示された。このほか肝疾患の期間が4年を超える患者では、予想外の健康状態の低下がみられることも判明した。

研究著者の米セントルイス大学(ミズーリ州)肝臓センターのAdrian Di Bisceglie博士は「維持療法は米国をはじめとする各国で多数の医師に採用されているが、いまだ有効性は裏付けられていない。今回の試験結果に基づき、この治療は中止すべきである。維持療法を用いる理論的根拠はない。効果がないことは明らかである」と述べている。

慢性C型肝炎患者の約半数では、ペグインターフェロンおよびリバビリンによる6カ月から1年の抗ウイルス治療後、完全な回復が認められるが、それ以外の患者(奏功しなかった人)には、改善がみられることがあるものの、ウイルスの消失は認められない。

今回の研究は、進行した肝疾患患者で治療への奏功がみられなかった1,050人を対象に、半数にはC型肝炎ウイルスを抑制して肝疾患の進行を遅らせるため低用量ペグインターフェロンを3.5年間投与し、残りの患者は対照群とした。4年後、両群とも30%の患者に肝不全、肝癌(がん)の発症または死亡がみられた。研究開始時に比較的軽症の肝硬変がみられた患者の10~12%で、重篤な肝疾患の発症がみられた。これらの結果はいずれも予想外のものであったという。

「4年間で肝炎患者の状態が極めて悪くなった。この研究からわかったことは、慢性C型肝炎が線維症の進行した段階まで達すると、容態が急激に悪化するということだ」とDe Bisceglie氏は述べている。

この研究は、米医学誌「New England Journal of Medicine」12月4日号に掲載された。米国では約400万人がC型肝炎に感染しており、毎年1万~1万2,000人が死亡している。C型肝炎は、感染者の血液に直接接触してウイルスが伝播(でんぱ)されることで引き起こされる。(HealthDay News 12月3日)